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2008/09/21

露の五郎「大名道具」

【世紀末亭】9月21日定期アップ

姪っ子たちが申しますには、ただいまの学生さんの筆記用具のメインはシャープペンシルなのだそうです。我々の頃と違って芯もずいぶんと細く丈夫になり、強く濃く書いても折れにくいし、消しゴムで消せるのがその選択の理由だとか。

わたしが学生だった頃には「鉛筆は小学生のもの、中・高生はボールペンでしょ」という強迫観念があり、さらに「上に進めば万年筆常用でなければ」ということで、中・高・大を通して万年筆は幾何十本となく買い求めました……。嘘です、多くても十数本です。

あるとき、生協の文具売り場でデザイン形状が全く同じでありながら、二千円、三千円、五千円の値が付けられた万年筆を前にして、しばし購入決定を迷っていました……。嘘です、はなから二千円のものを求めるつもりなのですが、値段の違いでどれほど書き味が違うものか試したくて、二千円と五千円の書き比べを申し出たのです。

店の方が陳列ケースより取り出した万年筆、どこをどう見比べてもキャップに付けられた値札以外、違いが見つけられません。係の人に聞くと「ん~ん……、ペン先の材質が違う、のではないでしょうか?」明確な答えはいただけません。

ならば我が感性をもってその違いを、とばかりに書き比べてみると、わたしの感性では明らかに二千円の方が弾力に腰があって、そのうえ滑らか。五千円のものは滑らか過ぎて柔らか過ぎる。好みの問題か? わたしの感性が安物好みなのだろう、そうでしょうとも。

「違いが分からない人間には二千円の万年筆で十分」と言いたげな店員さんの顔を見ながらレジを済ませたのですけど、見分けのつかない本体に、違う値札の付いたキャップ。本体が入れ替わっていた可能性がないこともない、あることもある。と、いま三十数年前購入のその万年筆を眺めながらふと考えた。

●露の五郎(五郎兵衛)「大名道具」:並艶笑噺
戦国時代ならいざ知らず、太平の世の大名は世継ぎを残すこと、つまり夜の「あッふん」だけが仕事だという極論に基づいたお噺。あれが極端に小さい大名、少しでも大きくならないものかと、奥方の奨めで「根精(こんせい)大明神」に参ったところ、ご神体のあまりの立派さにチョチョマイ、槍で突き倒してしまった。怒り狂った根精大明神は神罰を下し、一夜にして大名はじめ家中三千人すべての一物を、袋を残して削除してしまう。さぁ、困ったこまった、そこで修験者を呼び「マッタケ返し」の秘法で……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug445.htm

●露の五郎(五郎兵衛)「加賀見山」:正本芝居噺
お家横領を企てる岩藤の局(つぼね=大奥上級管理職)は家老の天見郡司兵衛、実弟の主税(ちから)と結託し「旭髻観世音(あさひもとどりのかんぜおん)」という仏像を奪おうとしている。それを阻止しようとするのが中臈(ちゅうろう=大奥中間管理職)の尾上、部下の若侍・求女(もとめ)、腰元・左枝(さえだ)のグループ。現在で言えば企業乗っ取り事件を縦糸に、求女⇔左枝の恋愛、岩藤→求女、主税→左枝の両横恋慕を横糸に、複雑に織り成す人間模様「加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」序幕、花見の場を五郎師匠が語ります。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug206.htm

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2008/09/07

桂吉朝「死人茶屋」

【世紀末亭】9月7日定期アップ

不意に天災が襲ってきてライフラインにダメージを受けたとしたら? と、たまに考えるのも悪くないです。電気・ガス・水道・通信・交通、どれをとっても大切なものばかりでしょうけど、先の阪神淡路大震災を経験した人に聞けば「特に水道、それもトイレが使えないのが一番こたえた」とのことでした。

さもありなん、予告された水道工事で止まってさえ汲み置きを忘れ、便器に我が分身が漂って困った経験がありますから、何日も止まったままになったら……、考えると恐ろしい。けど、不意に備えて常時風呂に水を張っておくなんてことは、まずやれない性格でしょう、やらない性格でしょう、やってません。

どんな性格? 実は数年前からトイレの水洗タンクからほんの少しずつ水が漏れていたのです。気づいた当初、便器がいつも濡れている程度の漏れが、昨年あたりからポタリポタリが目に見え、今年の夏遂にチョロチョロの音と水道使用量3割アップ、これには慌てました。そんな性格です。

「いくらなんでも、これはまずいぞ」ということで、今でも流れているのかどうか、家庭の水回り修理業者のテレビコマーシャル「♪水道トラブル五千円、トイレのトラブル八千円」ちょっと出費は痛いけど、直さないわけには水漏れが止まりませんから、覚悟を決めて電話番号をサーチ。

する前に、とりあえず原因だけでも調べておこうとサーチ。ここらへんが「科学する心」の黎明世代やね、ものの数分で「ゴムフロート(バルブ)の劣化、またはゴミ詰まり」であることが分かり、トイレトラブルのなかでは素人が比較的簡単に直せる部類であることも判明。

判明した以上やらない手はない、部品を調べると「一般的ゴムフロート(PH84-92X)¥498」さっそく近くのホームセンターで仕入れ、取り説どおり(1)水栓を閉める(2)タンクのフタを開ける(3)レバーから鎖を外す(4)ゴムフロートを外す(5)新品を装着する(6)逆順で元通りに。以上、十数分の作業時間で完了。

以前水道蛇口のポタ漏れ修理もやったし、今回水洗タンクのチョロ漏れの修理もやった「♪水道トラブル百十円、トイレのトラブル五百円」業者泣かせですんません。

●桂吉朝「死人茶屋」:原作・小佐田定雄氏
常の御茶屋遊びに飽きた若旦那、今日はひとつ「葬礼(そうれん)ごと」葬式の真似事でお香をつまみながら一杯呑もうと、太鼓持ちの茂八に話を持ちかけた。こんな馬鹿げた遊びが大好きな茂八も大乗りで、スックリ手はずを整えるが、どんなに趣向を凝らしても「しょ~もなッ」の一言で白けさせる芸者、豊田屋のおちょねは呼ぶなと釘を刺される。遊びの当日、何も知らないおちょね姐さんが御茶屋の前を通りかかると、鯨幕が張り巡らされ誰かの葬礼らしい、気になって飛び込み女将に聞くと……、さぁどんな騒動が起こることやら。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug444.htm

●桂米朝「珍品小咄集」
道で仕事をしてる人がね、ヒョッと見たら、行灯(あんどん)を山のよぉに車に積んで、こぉ引ぃて行くんです。「ぎょ~さん、行灯運こんでるで」と見てると、また行灯を山のよぉに積んで運んで行く。しばらくするとまた行灯を山のよぉに……「どこぞでよっぽど日が暮れるんやなぁ」……「行灯運び」ほか「煙突掃除」「一つ布団」「半鐘盗人」「狐の宿」「いらち丁稚」「二階馬」「とんび丁稚」「夕立屋」「指物丁稚」「棚丁稚」「魚屋司」「ゆらしゃろか」「浄瑠璃騙り」「焼物(やきもん)」(演題は適当に付けました)収録。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug205.htm

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