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2007/11/04

桂文我(三代目)「覗き医者」

【世紀末亭】11月4日定期アップ

前回の最後の言葉「たぶん他人さまに対しては意識的にかなりフェイクかましてますので、お気を付けください」を受けまして、それならば「わたしとはどんな人間なのか? セキ・ララに申してみよ」と言われると、これが隠すよりなお、難しいのです。

言葉どおり全裸、スッポンポンになって、氏名、生年月日、学歴、職歴、賞罰、身長、体重、視力、聴力を書いた看板とともに台の上に立たせ、撫ぜたりさすったり叩いたり突っついても、外皮の触感や形状は分かるものの内容物、特に精神的なものなど知れようはずありません。

そこでどうするか? 手はじめに日常の素行を数値で表してみましょう。
 ・先月落語会に出かけた回数は7回である。
 ・先月落語会に使った経費は9400円である。
 ・先月落語会1回あたりの単価は1343円である。
 ・先月自転車で走った距離は138.8kmである。
 ・先月自転車で走った距離を交通費に換算すると4500円である。
 ・先月自転車で消費したカロリーは1584.7kcalである。
 ・先月消費したコーヒーの量は674gで、費用は640円である。
 ・先月消費した米の量は2870gで、費用は1148円である。
 ・先月の水光熱費はガス1351円、電気3066円、水道1380円である。

お分かりかな? 分からんじゃろぉなぁ……、では話を変えましょう。ここに一人の噺家がおります、特に名前をあげるまでもなく、落語を語るという噺家。この噺家が地方のさる集まりに呼ばれ、落語を一席所望されました。

さて高座に上がれば満員の客席、気合を入れて語り始めると見知らぬ人が一人舞台上に現れ、つかつかと歩み寄って横に立ち、手振り身振りで話の内容を客席に向かって解説しはじめます。ご存知のように、落語という芸は小道具があるわけでなし、大道具があるわけでなし、演者と客、1対1の勝負、差しの芸であります。

頭の中に妄想を膨らませて成り立つ芸のその最中、横に立って手振り身振りで気を散らせる行為に、この噺家はついつい「舞台の下に降りてくださいませんか」事情を聞けばありがたや、この方は当日お越しになった数名の聴覚障害の皆様のための手話通訳だったというではありませんか。

そこでです、噺家の取ったこの行動を許せるか許せないか、それに答えることで「わたしとはどんな人間なのか?」ということが知れるはず、と考えたのですがどうでしょう? そして、わたしの答えは……、続きは日を改めまして。

●桂文我(三代目)「覗き医者」:香具師(やし)・的屋(てきや)「蛇の薬売り口上」付き
愛娘の縁談が決まり、嫁いだ先ではゆっくり物見遊山もままならないだろうと、親旦那は番頭と丁稚を伴って四人でブラブラあちこちを見物して回る旅に出た。ところが「水が変わると体の調子が変わる」のたとえ、田舎宿に泊まった晩、お嬢さんが急に腹痛を訴え苦しみだす。宿の帳場に尋ねると、辺鄙な田舎のことゆえ医者はいないが「医者のような者」ならいるというので、早速呼んでもらうことに……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug424.htm

●桂文枝「軽業講釈」
伊勢参りの道中、喜六・清八が村祭りの見世物小屋に寄るのは「軽業」だが、実はその軽業小屋の隣で同じく小屋をかけていたのが講釈師の先生だった。いつもの調子でいつもの「難波戦記」を語り始めると、軽業小屋からは客寄せのお囃子の音が遠慮なく押し寄せてくる。あまりのうるささに辛抱たまらなくなり「軽業ぁ~ッ、軽業ぁ~ッ!」大きな声を上げると、若い衆が飛んで来て「お囃子部屋へ言ぅときますんで、えらいどぉも済まんこってす」謝って帰って行く。が、またしばらく語るうち、お囃子の音が大きくなって「軽業ぁ~ッ、軽業ぁ~ッ!」すると、若い衆が飛んで来て……、が……、すると……、が……、すると……、が……、すると……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug185.htm

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