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2006/10/22

桂雀三郎「帰り俥」

【世紀末亭】10月22日定期アップ

♪コンコン・チキチンチキチンチキチン・コンコン・チキチンチキチンチキチン……、ご近所の秋祭り「地車(だんじり)」が練り歩いています。大阪の地車ばやしは、文字で書くと京都の「コンコン・チキチン・コン・チキチン」と似てはいるものの全く別物、片や躍動的、片や詩情的。

ゆっくりと引き回している時の「曳航」はこんな感じです↓
http://homepage3.nifty.com/rakugo/danjiri.mid

花代をいただいた家・商店の前まで来ると一旦停止して、囃子方の腕だめしとばかりに超急テンポで一節演奏。これが基本の形に地域色、演者色、プラスその場の即興を加えた独特のもので、今年の演者さんはなかなか手がお上手なようです。

ひとしきり演奏が終わると手〆「打ち~まひょ、ド~ンドン、もひとつせ、ド~ンドン、祝ぉ~て三度、ドド~ンドン」1セット終わると、次のポイントまでシズシズ曳航してお囃子が徐々に小さく消えていく。そして、遠くの方でかすかに「打ち~まひょ、ド~ンドン、もひとつせ……」

いつだったかテレビ番組で観た文楽「夏祭浪花鑑・長町裏の段」舅殺しの陰惨な場面で、団七が脇差を振りかざし泥沼の中追い掛け回すそのバックに、遠く近く♪コンコン・チキチンチキチンチキチン・コンコン・チキチンチキチンチキチン……、陽気と陰惨の対比効果っていうんでしょうか、サブイボが立つ思いでした。これはやっぱり京都の「コンコン・チキチン・コン・チキチン」では上品すぎて似合いません。

●桂雀三郎「帰り俥」(原作・小佐田定雄氏)
待っても待っても人っ子ひとり通らない。こんな夜は早めに切り上げて高津新地(こうづじんち)の自宅へ帰ろうと俥を引き出したその時、慌てた風の男が俥屋を呼び止めた「店の客に婚礼祝いの菓子と葬礼饅頭を取り違えて渡した。あとを追って上町まで頼む」と、上町に着くと客は既に北浜へ向かったという「上町から北浜を回って帰ったと思って、北浜まで」北浜に着くと客は既に大阪駅に「北浜から梅田を回って……」と、汽車は既に発車したあと「梅田から伏見を回って……」と「伏見から園部を……」と「園部から……」帰り俥はどこへ帰る?
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug403.htm

●桂雀々「蝦蟇の油」
「さぁさ、ご用とお急ぎでないお方はゆっくりと聞ぃてらっしゃい。夜目遠目笠の内、物の文目(あやめ)が分からん。山寺の鐘はゴォゴォと鳴るといえども、童子一人(いちにん)来たりて鐘に撞木を当てざれば、鐘が鳴るやら撞木が鳴るやら、とんとその音色が分からぬ道理じゃ。わしの口上も、聞ぃてもらわぬと何のことかさっぱり分からぬ道理じゃ」ご存じ大道商売、蝦蟇の油売りの啖呵売風景。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug156.htm

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2006/10/08

桂文珍「御神酒徳利」

【世紀末亭】10月8日定期アップ

今日一日の吉兆を占うお篭り部屋でジ~ッとお勤め・瞑想している時でした。なんか世間が騒がしい、ポリスとおぼしきサイレンの音が遠く近く交錯して聴こえてくる。やがてサイレンの音が目と鼻の先で止み、瞑想をかき乱したものの、今は大事な時間なのでやるべきことをしっかり片付けなければ……、すぐにでも飛び出したい気持ちを抑えに抑えて、中吉のお告げが出ました。

「何事か知らん?」と窓から覗き見すれば、北東角の東行き道路を白黒、覆面2台の赤色灯を乗せた車がふさぎ、複数のポリスメンが手にゴム手袋をはめて右往左往しておられます。野次馬根性は人一倍のつもりでしたが、こんな近くで事件が起こった時にはダメです動けません、何が起こっているのか駆け込んで行って聞くことが憚られます。

それほど緊迫感のある本物の事件ということです。で、わたしは何をしたかというと、ネットの「まち掲示板」に繋いで情報を探ったところが、ものの一時間もしないうちにポツリポツリと書き込みが上がりはじめ「遊技場の景品交換所に短銃強盗」「乗用車に乗った四人組を見なかったか? って職質されたよ」「襲ったのは二人組みらしい」

これだけ分かれば十分です「何事か知らん?」という不安はス~ッと消え、消えちゃいかんのですけどね、わたしの住むところではよくあることですんで。たしか、一年ほど前の真夜中にもチケット屋さんのシャッターをこじ開け、ショーウインドウが叩き割られる窃盗事件が起こってました。

その後、お昼の関西ローカルニュースで取り上げられ、ネットニュースに掲載され、襲われた従業員の年齢金額、犯人の年格好装束、細々とした情報が流されています。けど、こんな詳細な情報をいただいたところで、わたしの中では既に「それがどうかしましたか?」なわけです、もう解決済みですから。

裏付けの取れた確からしいメジャー情報は、そらもちろん大切なのは分かりきったこととして、不安を解消する程度の「何が起こってるん?」が分かればいいほどのマイナー情報はネットでも十分得られる。またまた再確認した出来事でありました。

●桂文珍「御神酒徳利」
旅館「丹波屋」の風呂の修繕に来ていた熊五郎は、薄暗い台所の棚で光る「何か」が何であるのか確認しようと外へ持ち出す。が、手を滑らせ雨壺の中へ落としてしまった。ドロッと濁ってボウフラもわいているし、あとで取り出そうと忘れたまま仕事を終え、ねぎらいのお酒をよばれているあいだに、店では「お公家さまから賜った錫(すず)の御神酒徳利が姿を消した」と大騒ぎになっていた。家に帰って、雨壺に落とした「何か」が「御神酒徳利」であると女房に知らされ、謝りに行くのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug402.htm

●笑福亭仁鶴「人形買い」
祓い給え屋の先生に初孫が生まれ、長屋じゅうにチマキが配られた。お返しに長屋の取り決め祝儀のほかチマキ分乗せて人形のお祝いをしようと、長屋の世話役二人は御堂前の人形屋街に出かける。余った銭で焼き豆腐と酒を頂戴する腹積もりで、予算より百文安く神功皇后と太閤秀吉の二体を選び、文句言いの八卦見の先生と講釈師の先生にどちらか決めてもらおうと持ち込むが、両先生とも商売で占い・講釈して金を巻き上げてしまう。こうなったら人形を祓い給え屋に持ち込んで、返しのオタメに期待するほかない……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug155.htm

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