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2006/04/02

桂福団治「寿命」

【世紀末亭】4月2日定期アップ

字ヅラどおり「耐久消費財」というのは何年かしらの耐久性はあるが、いずれ消えて無くなってしまう消費財のこと、生命はなくても寿命のあるモノです。ただ、消えてもらっては困る、無くしてはならないと考えるモノは「名器、名品」いわゆる、今流行りの「ビンテージもの」として大切に扱われ、値打の分かる人々によって取り引きされ、後世に残る寿命を与えられます。

名器、名品として代表的なのが3億円とも言われるバイオリンのストラディバリ、実際にはそんな値段ではとても手に入らない値打ものらしい。もっともわたしなんかが聴いたところで、数十万のバイオリンとの違いなんか分かりはしません、しかし、名前を聞けば名器であることは分かります。なにゆえか、それは長い歴史と多くの人々が認めているからにほかなりません。

そんな超高価なビンテージもの以外に古着、古布、古木材、古時計……、そして古典落語、なんちゅうのも混ぜたりして。古電気楽器や古ラジオ、古オーディオ機器の一部もマニアの間では耐久消費財の枠を超えた「特別なモノ」として寿命を与えられ、何十年経てなお高額で取り引きされているのです。

ですから、皆さん不用になった古耐久消費財を処分しようとお考えなら、粗大ゴミとして捨てる前に今一度「ビンテージもの」として価値があるかないか確認しておいても無駄ではありません。その確認の手段として、ちょうどこれを書いている3月30日、経済産業省が「電気楽器・音響機器これこそがビンテージリスト」というお墨付きを発表してくださいました。

ザッと目を通したところ、わたしの持っている古い耐久消費財の名前は載っていないようですが心配は要りません、要望すればリストに載る可能性も残されているそうです。また、今回は電気楽器・音響機器についてのみですが、いずれ様々な分野にわたってリストアップしていただけることでしょう。

ついに国が、省が、一握りの役人が、優秀明晰な頭脳と専門知識を駆使して、ビンテージ物品の歴史と価値を十二分に理解したうえで、極短時間のうちに「名器、名品」として選定する時代になったのですね、ホンマ涙が出るぐらいありがたいことでごぜぇますだ。

●桂福団治「寿命」:森やすし原作
長町裏に住まう水屋の源兵衛は町中を軒並み売り歩く仕事柄、得意先家内の健康状態も知らず知らず耳に入って来る。きょうしも立て続けに二軒、余命幾ばくもない家族を抱え悲しんでいる客に出くわした。「身寄りも金もないこの俺が健康に恵まれ、家族も財産もある人々がどうして苦しみを……」と、世の非情を嘆きながらも「寿命を見付けて売りさばけば金儲けができるかも」そこでさっそく寿命を求め、長く苦しい旅に出るのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug390.htm

●桂春団治「祝いのし」
家主の倅(せがれ)が嫁を取ることになった。そこでお咲さんは亭主の喜ぃさんに「お向かいで借りた二十円で尾頭付きの魚を買って祝いにし、返礼にもらえるであろう百円のうち二十円を残して米を買ってこい」と、今日の食事の工面策を授けた。なんにも知らん喜ぃさんは生貝(なまがい=鮑)を二杯買い求めて訪ねるが「鮑の貝の片思い、こんな縁起でもないもの」と追い返されたその帰り道、友人から鮑にまつわるエピソードを語って家主に反撃を加える方法を教えられる。が、うまく反撃できたのだろうか……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug142.htm

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