« 2006年3月 | トップページ | 2006年5月 »

2006/04/16

笑福亭伯枝「三人上戸」

【世紀末亭】4月16日定期アップ

インターネットの普及率が世帯ベースで5割を超えているそうです。また、会社や学校、携帯など何らかの形でネット利用可能な家族ベースでは8割とか、今やネット抜きには情報収集を考えられない時代に突入してるんですね。わたし自身もこの10年間でネット検索、ネット調べの習慣が定着しました。ことにブロードバンド常時接続してからというもの、あらゆる情報の収集にネットを活用させていただいています。

ブログに代表される個人の大量参加、私企業の公開資料充実、全文検索サイトの高機能化、その他いろいろネット全体が成長し、利用するに足る情報源としてネットが認知された結果、これほどネット人口が増大したのでしょう。

しかし、ネットを活用しての情報収集が日常化し、知識の宝庫だとありがたく感じる反面、ちょっと気になることがあります。というのも、検索ヒットする多くが個人あるいは私的組織のサイトで、公的な機関、特に学研的な組織が系統立てて記述したコンテンツの少なさに驚くのです。

私と公のサイト数比率からすれば公が少ないのは当たり前なのかも知れませんけど、内容の正確さというか信憑性の確かさを考えるなら、もっともっと学際的、専門的、百科事典的なサイトが多くあってもよいのでは? けど、役人が文化・思想の方向を定めてしまうような社会環境は御免ですから、国には黙っててもらうほうがいいのかな。

情報収集が身近な世の中になったのは便利には違いありません、でも手離しで喜んでばかりもいられません。皆さん、ネット情報に頼りきって「ガセビア(都市伝説)」を拾い出してしまい、ずいぶんあとになって間違いに気付いた、なんてことないでしょうか。例えば「水が言葉を理解して、良い言葉に接すると綺麗な氷の結晶を作る」だとか「電子レンジで猫を乾かし、死なせた人が家電会社を訴えた」とか。

ありそうな話だし、善意で書かれた記事ですから騙されても無理ないと思います。だいいち、知らないからこそ探し回って、やっと得た知識を最初から「都市伝説」かも? などと疑ってかかったりはしませんもん普通。たぶんまだまだ気付かないうちに受け入れてしまっている都市伝説がたくさんあるのでしょう。

で、問題はその仕入れた知識で文書をまとめ上げてサイトにアップ、それがまた誰かの目に触れて……、と順送りに送られて伝説が広まって行くこと。これってやっぱり「善意の悪」の手下ってことになるんでしょうかね。このあたり、個人サイトの限界を感じてしまいます。

●笑福亭伯枝「三人上戸」
律令制のもと「大戸・上戸・中戸・下戸」と呼ばれる課税単位があり、婚礼時の酒の量が上戸は八瓶、下戸は二瓶であったことから、酒が呑めない人を「下戸」と呼ぶようになり、酒をよく呑む人を「上戸」と呼ぶようになったのがこの言葉の起源らしい。また酒を呑んで崩れる人は○○上戸と呼ばれ、中でも「笑い上戸、泣き上戸、怒り上戸」の三つが上戸の代表だが、この三つを一人で受け持つ人がいて「三人上戸」と呼ばれている。その三人上戸が夜鳴きのウドン屋を相手にドタバタを演じる軽い一席。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug391.htm

●桂文珍「手水廻し」
地方の宿屋に泊まった大阪の客が、部屋で朝の洗顔をしようと「手水を廻してくだされ」と頼んだところ、上方の言葉が通じない。「チョ~ズをまわす」とは何? 寺の物知り和尚に尋ねると「『チョ~ズ』は長い頭『長頭』であろう、それを廻せば良い」。さっそく長い頭の持ち主、隣り村の源助を呼んで頭を振り廻してもらったが、客は怒って帰ってしまった。これから先、失敗を繰り返さないためにも「チョ~ズをまわす」の意味を調べなければ、と板場の喜助を連れて大阪の宿へと出かけて行くが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug143.htm

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/04/02

桂福団治「寿命」

【世紀末亭】4月2日定期アップ

字ヅラどおり「耐久消費財」というのは何年かしらの耐久性はあるが、いずれ消えて無くなってしまう消費財のこと、生命はなくても寿命のあるモノです。ただ、消えてもらっては困る、無くしてはならないと考えるモノは「名器、名品」いわゆる、今流行りの「ビンテージもの」として大切に扱われ、値打の分かる人々によって取り引きされ、後世に残る寿命を与えられます。

名器、名品として代表的なのが3億円とも言われるバイオリンのストラディバリ、実際にはそんな値段ではとても手に入らない値打ものらしい。もっともわたしなんかが聴いたところで、数十万のバイオリンとの違いなんか分かりはしません、しかし、名前を聞けば名器であることは分かります。なにゆえか、それは長い歴史と多くの人々が認めているからにほかなりません。

そんな超高価なビンテージもの以外に古着、古布、古木材、古時計……、そして古典落語、なんちゅうのも混ぜたりして。古電気楽器や古ラジオ、古オーディオ機器の一部もマニアの間では耐久消費財の枠を超えた「特別なモノ」として寿命を与えられ、何十年経てなお高額で取り引きされているのです。

ですから、皆さん不用になった古耐久消費財を処分しようとお考えなら、粗大ゴミとして捨てる前に今一度「ビンテージもの」として価値があるかないか確認しておいても無駄ではありません。その確認の手段として、ちょうどこれを書いている3月30日、経済産業省が「電気楽器・音響機器これこそがビンテージリスト」というお墨付きを発表してくださいました。

ザッと目を通したところ、わたしの持っている古い耐久消費財の名前は載っていないようですが心配は要りません、要望すればリストに載る可能性も残されているそうです。また、今回は電気楽器・音響機器についてのみですが、いずれ様々な分野にわたってリストアップしていただけることでしょう。

ついに国が、省が、一握りの役人が、優秀明晰な頭脳と専門知識を駆使して、ビンテージ物品の歴史と価値を十二分に理解したうえで、極短時間のうちに「名器、名品」として選定する時代になったのですね、ホンマ涙が出るぐらいありがたいことでごぜぇますだ。

●桂福団治「寿命」:森やすし原作
長町裏に住まう水屋の源兵衛は町中を軒並み売り歩く仕事柄、得意先家内の健康状態も知らず知らず耳に入って来る。きょうしも立て続けに二軒、余命幾ばくもない家族を抱え悲しんでいる客に出くわした。「身寄りも金もないこの俺が健康に恵まれ、家族も財産もある人々がどうして苦しみを……」と、世の非情を嘆きながらも「寿命を見付けて売りさばけば金儲けができるかも」そこでさっそく寿命を求め、長く苦しい旅に出るのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug390.htm

●桂春団治「祝いのし」
家主の倅(せがれ)が嫁を取ることになった。そこでお咲さんは亭主の喜ぃさんに「お向かいで借りた二十円で尾頭付きの魚を買って祝いにし、返礼にもらえるであろう百円のうち二十円を残して米を買ってこい」と、今日の食事の工面策を授けた。なんにも知らん喜ぃさんは生貝(なまがい=鮑)を二杯買い求めて訪ねるが「鮑の貝の片思い、こんな縁起でもないもの」と追い返されたその帰り道、友人から鮑にまつわるエピソードを語って家主に反撃を加える方法を教えられる。が、うまく反撃できたのだろうか……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug142.htm

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年3月 | トップページ | 2006年5月 »