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2006/03/05

桂文珍「包丁間男」

【世紀末亭】3月5日定期アップ

今さっき引き出し式のカセット入れを何気に整理していたら、タイトル未記入真っ白けの1本が出てきました。テープを取り出して見てみると、ラベルはないものの巻きにムラがあるので使用済みであるとは知れましたが、内容が何であるかさっぱり記憶にございません。

こういう時は整理をいったん中止して聴いてしまうのが悲しい人間のサガというものです。さっそくデッキに放り込んでプレイボタンを押すと、二十代前半、音楽好きの友達が集まってワイワイやってた頃の演奏と、多重録音機を使って重ね録りした曲が記録されています。

1曲目「レフトアローン」2曲目「オンリーユー」以下「ミスターデイ」「インプレッションズ」「ウォーターメロンマン」「テイクファイブ」「アントニオズソング」「カミンホームベイビー」……、はいはい、この曲を入れたときはあんなだった、あの曲を入れたときはこんなだった、覚えてるもんですね。

中でも友人の結婚式用に頼まれて作ったカラオケテープ「オンリーユー」は、いろいろクレームが付いたのでことさらよく覚えてました。ベース、ドラムス、ギター、そしてソロパートのカルテット、ちょっと軽快にアップテンポでシャレた感じに仕上げたのに、音が少なく隙間があって寂しいとぬかしやがる。

確かにホーンセクションやストリングスが入ってるわけでなく、リズムセクションだけのバックでは厚みはないかも知れんけど、そこがカルテットの良さ、ソロがアドリブで隙間を埋めて完成するのよ。ベチャ〜ッと音で埋まりきった、ガキ好みの音楽ばかり聴いてるから「間」と隙間の違いすら分からない大人に……、とかもっともらしい意見をして押し付けたものでした。

そう言えば「間」の好みは今でも変わりません。とにかく塊になってドンドンベタベタ〜と来られる音は苦手ですね。ひきかえ、かたまっているようでいて瞬間フッと抜ける「間」のある音の心地よさ、流れの緩急と間の挟まれ具合がこちらのリズムに合致するとき、あたかも一体になったような気になれます。

音楽でも映像でもそして落語でも、いや落語という話(わ)の芸能だからこそ「間」の周波数が合うか合わぬかは、肌が合う合わぬの大きな要素になるのです。機会があれば、言葉という商品を売るプロフェッショナルの噺を、音楽を聴くように聴いてみてください、きっとあなたの「間」にドンピシャはまる噺家さんが待っているはずです。

●桂文珍「包丁間男」
女に持ててもてて、持て過ぎて持て余して、今の女と別れたいと思っている辰五郎が、道でバッタリ出会った弟分の寅公に相談をもちかけた。「酒を手土産にわしを訪ねた振りをして、呑んだ勢いで手の一つも握って口説け。その瞬間を見計らって駆け込んで『間男見付けた、二つに重ねて四つに切る。おのれは男引っ張り込みやがって、何ちゅう女や』と叩き出す」さてその首尾は……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug388.htm

●桂米朝「けんげしゃ茶屋」
さる大家、村上の旦那は新町で「ババの旦那」の異名を取るほど悪ふざけが過ぎ、今はミナミに河岸を変えて国鶴という馴染みをこさえ「鶴の家」という店を持たせていた。年も押し詰まった大晦日、家の用事も店の帳場もあわただしさに邪魔者扱いされ、ブラブラ出歩くうち顔見知りの又兵衛さんと出会う。話の弾みに元日早々「鶴の家」で面白い遊びをしようということになるのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug140.htm

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コメント

このブログの落語のあらすじの紹介のところだけを集めても
面白いものになるだろうな。
とちょっと思いました。
本文末尾のプロパティと合わせて
落語辞典のようなですね。

あとちょっと思い出したのが
ジェリー・ルイスさんの底抜けシリーズの紹介文
必ず最後が「~てんやわんやの大騒動」これが、お決まりのパターンなんですよね。

投稿: くらきっとん | 2006/03/08 19:26

流石くらきっとん、目の付けどころが眉の上(落語定句)。本文と同じぐらいに、いやそれ以上に楽しんで書いてます。と言うより、下の方が先に出来上がるんですね。上の方はいつもシックハックしてます。

本で言うなら「腰巻き」さしずめ世紀末亭落語の「ふんどし」とでも申しましょうか、内容以上に読みたい読みたいという気を起こさせるよう、言葉を選び「さぁどうなる?」というところで……(てんやわんやの大騒ぎ)

ほんでから、中身を読むと「な~んや」という落ちまで付いてる、上方落語へのいざないです。

投稿: 仮隠居 | 2006/03/08 22:20

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