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2006/03/19

森乃福郎(初代)「太閤の猿」

【世紀末亭】3月19日定期アップ

昭和47年は今から何年前になるのか? 即答できる人はよほど昭和史を研究されている方か、それとも特殊な構造の頭をお持ちの方なのでしょう。ふつう昭和63年から昭和47年を引き、平成18年を足し算して34年前と導き出すか、わざわざ西暦に変換して2006年−1972年=34年前、これはこれでまた西暦に変換するのがひと苦労なのですが……

その34年前の昭和47年という年に何が起こったのか? 私事ですが浪人生活を脱した年であり、実家を出た年であり、銀行の預金通帳と電子時代の幕開けキャッシュカードをこしらえた年でもあります。今わたしが使っているカードは「全銀統一キャッシュカード」第一号の記念すべきものなのです。

黒ずんでキズだらけになった72年製骨董カードには、ダイヤのマークと「三菱銀行」のロゴがデ〜ンと印刷されています、しかもこの銀行今は存在しません。三菱銀行と東京銀行が合併して東京三菱銀行に、そして三和銀行と東海銀行が合併したUFJ銀行と再合併して「三菱東京UFJ銀行」に、あぁややこしい。しかしカードはそんなことお構いなしにズ〜ッと何事も無かったように使い続けらています。

ここ数年「スキミング」と呼ばれる電子情報抜き取りコピー犯罪の多発で、カードのセキュリティ対策が言われるようになりました。わたしのカードも行員さんに見付かるたびに「新しいものに変えては……」とアドバイスされるのです。でも、愛着があって踏ん切りがつかないでいます。

そんな折、銀行から「手の平認証機能」つまり、手の平の静脈パターンを読みとって個人を特定し、本人以外絶対に使えないという、万全の備えを持った新カードへの切り替え案内が届き、先日窓口を訪ねそのメリットについていろいろ伺ってきました。最新テクノロジーを搭載したカードに切り替えると、どんなテクノロジーが待っているのか? 以下Q&A

「ATMは一斉に手の平認証に切り替わるんですか?」「いえ、古いものから順次取り替えて行きます」「そしたら、手の平認証できない機械では使えない?」「いえ、従来通り暗証番号のみ、手の平認証併用、両方の機械で使える共用カードを用意します」「なら、手の平認証セキュリティーの意味ないじゃん?」「手の平認証必須のカードもございます」「それは、どこでも手軽に使えないんでしょ?」「はい、順次取り替え中です」実際にはもっともっとたくさんのQ&Aが繰り返されてますけどカット。

しかし、どうしてこんな中途半端なセキュリティーのカードに切り替えを急ぐのだろう? という疑問が湧き、当然調べましたとも。なんでも現在、銀行の生体認証カードには大きく「手の平」「手の指」2勢力あって、業界標準を目指し顧客数を競い合ってる真っ最中なんですね。負けると今まで開発したシステムがパ〜になったうえ、敵陣営のシステムに合わせ直さなければならない、かも知れない。

基本的にカードの機能は34年前とまったく変わらず、全国どのATMもみな統一された生体認証機能付きになってから更新しても遅くはないようなので、今回はひとまず保留して愛着のある「まぼろしの三菱銀行」カードを持ち続けることにしました。

●森乃福郎(初代)「太閤の猿」
お女郎さんを開放すべく「自由廃業運動」勃発中の明治三十二年十二月、名古屋・旭新地という遊郭にある「東雲楼」では娼妓がストライキを起こし、そのさまを歌った演歌「東雲節」が全国的に大流行する。この東雲節を深く歴史考察した結果、歌詞のルーツは豊臣秀吉が飼った「太閤の猿」のエピソードに由来するらしいのだが……、太閤秀吉、独眼竜伊達政宗、加藤清正、福島正則、加藤嘉明、片桐且元、曽呂利新左衛門ほか豪華メンバー競演の話題作。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug389.htm

●桂雀三郎「初天神」
お父っつぁんが羽織を着こんで一人天神さんへお参りしようとしていると、息子の寅ちゃんが学校から帰って来た。「一緒に連れて行け」とねだるが聞き入れられず、向かいのおっさんに昨夜の夫婦の出来事を暴露する作戦で連れて行ってもらうことに成功。約束通りおとなしく付いて来たのもつかの間、天神橋を渡りきる頃にはいつもの「あれ買え、これ買え」が始まった。大人顔負け、こましゃくれたガキ、いえボンボン寅ちゃんが巻き起こす大騒動。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug141.htm

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2006/03/05

桂文珍「包丁間男」

【世紀末亭】3月5日定期アップ

今さっき引き出し式のカセット入れを何気に整理していたら、タイトル未記入真っ白けの1本が出てきました。テープを取り出して見てみると、ラベルはないものの巻きにムラがあるので使用済みであるとは知れましたが、内容が何であるかさっぱり記憶にございません。

こういう時は整理をいったん中止して聴いてしまうのが悲しい人間のサガというものです。さっそくデッキに放り込んでプレイボタンを押すと、二十代前半、音楽好きの友達が集まってワイワイやってた頃の演奏と、多重録音機を使って重ね録りした曲が記録されています。

1曲目「レフトアローン」2曲目「オンリーユー」以下「ミスターデイ」「インプレッションズ」「ウォーターメロンマン」「テイクファイブ」「アントニオズソング」「カミンホームベイビー」……、はいはい、この曲を入れたときはあんなだった、あの曲を入れたときはこんなだった、覚えてるもんですね。

中でも友人の結婚式用に頼まれて作ったカラオケテープ「オンリーユー」は、いろいろクレームが付いたのでことさらよく覚えてました。ベース、ドラムス、ギター、そしてソロパートのカルテット、ちょっと軽快にアップテンポでシャレた感じに仕上げたのに、音が少なく隙間があって寂しいとぬかしやがる。

確かにホーンセクションやストリングスが入ってるわけでなく、リズムセクションだけのバックでは厚みはないかも知れんけど、そこがカルテットの良さ、ソロがアドリブで隙間を埋めて完成するのよ。ベチャ〜ッと音で埋まりきった、ガキ好みの音楽ばかり聴いてるから「間」と隙間の違いすら分からない大人に……、とかもっともらしい意見をして押し付けたものでした。

そう言えば「間」の好みは今でも変わりません。とにかく塊になってドンドンベタベタ〜と来られる音は苦手ですね。ひきかえ、かたまっているようでいて瞬間フッと抜ける「間」のある音の心地よさ、流れの緩急と間の挟まれ具合がこちらのリズムに合致するとき、あたかも一体になったような気になれます。

音楽でも映像でもそして落語でも、いや落語という話(わ)の芸能だからこそ「間」の周波数が合うか合わぬかは、肌が合う合わぬの大きな要素になるのです。機会があれば、言葉という商品を売るプロフェッショナルの噺を、音楽を聴くように聴いてみてください、きっとあなたの「間」にドンピシャはまる噺家さんが待っているはずです。

●桂文珍「包丁間男」
女に持ててもてて、持て過ぎて持て余して、今の女と別れたいと思っている辰五郎が、道でバッタリ出会った弟分の寅公に相談をもちかけた。「酒を手土産にわしを訪ねた振りをして、呑んだ勢いで手の一つも握って口説け。その瞬間を見計らって駆け込んで『間男見付けた、二つに重ねて四つに切る。おのれは男引っ張り込みやがって、何ちゅう女や』と叩き出す」さてその首尾は……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug388.htm

●桂米朝「けんげしゃ茶屋」
さる大家、村上の旦那は新町で「ババの旦那」の異名を取るほど悪ふざけが過ぎ、今はミナミに河岸を変えて国鶴という馴染みをこさえ「鶴の家」という店を持たせていた。年も押し詰まった大晦日、家の用事も店の帳場もあわただしさに邪魔者扱いされ、ブラブラ出歩くうち顔見知りの又兵衛さんと出会う。話の弾みに元日早々「鶴の家」で面白い遊びをしようということになるのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug140.htm

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