2009/07/05

(初代)桂小文治「うらのうら」

【世紀末亭】2009年7月5日定期アップ

先日、とある落語会で常連のお客さんとお話しする機会を持たせていただきました。その中で「○○さんの出られる会でよくお会いしますね、ヒョッとしたら追いかけやってはんのとちゃいます?」と、お聞きしましたところが「溌剌とした若手のピチピチ会を選んで出席しているだけであって、○○さん目当てではない」と、きっぱり否定されたのです。

否定されると、それを否定したくなる性格(裏の裏性格)の持ち主であると自覚するわたしは「い~や、年間に通う落語会中、○○さんの出演率を調べたら、きっと多いに違いない」とか、いつもの自分勝手な収束を試みるわけです。そんな思いつきを言ってみたものの、わたし自身について、どんな傾向でもって落語と付き合ってるのか意識したことはありませんでした。

そこで、2008年7月2日から2009年7月1日までの1年間、全227高座を元に、「演者」「一門」を数値化・可視化し「わたしの好む噺家・一門は?」を調べてみることにします。ついでに、どんな「演目」に当たることが多いのかも出してみましたが、こちらは「これを目当てに聞く」のではなく「演者さんが好む」というほうが正しいように思われます。

             * * * * *

(2008年7月2日 ~ 2009年7月1日、全227高座)
【個人部門】
第1位(27高座)桂出丸
第2位(13高座)桂米二、桂こごろう
第4位(12高座)桂紅雀
第5位(11高座)桂文太
第6位(10高座)桂雀五郎
第7位( 9高座)桂雀三郎、桂千朝
第9位( 8高座)桂文華
第10位( 6高座)桂雀松、桂さん都、桂そうば
……………………
第13位(5高座)桂文三、桂ちょうば、桂雀太/第16位(4高座)笑福亭三喬、笑福亭生喬、桂福車、笑福亭福笑、笑福亭扇平、桂とま都、桂文珍、笑福亭鶴志/第24位(3高座)林家花丸、桂雀々、桂宗助、桂米団治、笑福亭由瓶、桂二乗/第30位(2高座)笑福亭遊喬、桂まん我、桂雀喜、笑福亭智之介、笑福亭仁勇、桂米左、桂阿か枝、笑福亭喬介、笑福亭呂竹、桂米八、桂春菜、桂吉坊、笑福亭右喬、笑福亭仁扇、笑福亭仁智/第45位(1高座)桂福矢、笑福亭仁福、笑福亭仁鶴、桂すずめ、林家卯三郎、笑福亭生寿、桂吉の丞、桂三四郎、笑福亭瓶生、笑福亭仁嬌、桂文昇、桂枝三郎、桂文福、桂吉弥、桂団朝、月亭八方、桂小春団治、桂ざこば、笑福亭鉄瓶、林家竹丸、露の吉次、桂かい枝、桂文鹿、桂福丸、林家染丸、桂七福、桂一蝶、桂佐ん吉、笑福亭銀瓶、林家染二、桂ひろば、笑福亭喬若、桂楽珍、桂わかば、笑福亭鶴二、桂よね吉、桂歌之助、古今亭志ん橋、月亭八天、月亭遊方、林家うさぎ、桂しん吉、桂さろめ、露の都

【一門部門】
第1位(161高座)米朝一門
第2位( 48高座)松鶴一門
第3位( 32高座)文枝一門
第4位( 17高座)春団治一門
第5位( 11高座)染丸一門
第6位( 2高座)五郎兵衛一門
第7位( 1高座)志ん朝一門

【演目部門】
第1位(5高座)蔵丁稚、牛ほめ
第2位(4高座)ろくろ首、つる、道具屋、植木屋娘、寝床、持参金、犬の目、胴乱の幸助、手水廻し
第3位(3高座)八五郎坊主、住吉駕篭、明石飛脚、阿弥陀池、饅頭こわい、近日息子、寄合酒、代書、延陽伯、崇徳院、看板の一、くっしゃみ講釈、天災、不動坊、へっつい盗人、はてなの茶碗

【珍品部門】
・桂福車「首屋」・桂文太「猫定」・笑福亭三喬「べかこ」・笑福亭三喬「欲の熊鷹」・笑福亭生喬「笠碁」・桂七福「粗忽長屋」

             * * * * *

【自己分析】
ということで、2位以下を大きく引き離しダントツ1位は桂出丸さんの27高座。全体を見渡して、いわゆる「爆笑系・創作系」を好んで選んでないようなので、型としてはオーソドックスな古典を好む、しかし、安定よりもスリルを楽しむ傾向が見受けられます。

出丸さんの落語はまさに「次に出るフレーズを読みきれない」その場、瞬間、テンション、アルコール抜け度、体温、気温、諸々……、計算しきない緊張・インプロビゼーションの趣があり、当たればグサッと突き刺さるのです。ま、悪い方向に進むと収拾が付かなくなるという負の要素を抱えているのですけど、落ち込んでる様子もまたエンタテインメント、ということにしておきましょう。

そういう緊張ばかりでは心労が溜まるので、安定感のある桂米二さん、ホンワカ暖かい桂こごろうさんで中和し、また桂紅雀さんによりテンションを高める。桂文太さんは安定系、桂雀五郎さんは緊張系、桂雀三郎さん、桂千朝さん安定、桂文華さん緊張、うまく混ざっていると思いますが、どう? 無理矢理かなぁ。

●(初代)桂小文治「うらのうら」:江戸落語「羽織の幇間」
何か面白い遊びをというので、芸妓・舞妓・太鼓持ちを引き連れ散歩に出かけた旦那、いつの間にか太鼓持ちの茂八が見当たらず、探しているところへ「旦那、えらいことです。男連れの若い女性が電車に轢かれて手が」と、慌てて戻って来た。驚いて聞けば「連れの男は女性を放って置いて歩いて行く、男に『どうして女を助けないのか?』聞いたところ『手を切った女には未練がない』とはどうです?」まんまとニワカにはめられてしまい、悔しくてしかたがない。そこで、ちょっとした計略を……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug462.htm

●笑福亭鶴光「袈裟御前」
京を追われ伊豆に流された源頼朝を担ぎ出し、平家討伐を企む怪僧・文覚上人(もんがくしょうにん)こと、元・北面の武士として名を馳せた遠藤盛遠(えんどうもりとう)が、どうして出家、仏門に入ったのか? それはその昔、同僚・源渡(みなもとのわたる)の奥さん袈裟御前に心動かされ「一夜の不倫」を申し込んだことに端を発する。そのとき貞女・袈裟御前の取った行動とは……?
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug224.htm

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2009/05/17

桂春雨「荒大名の茶の湯」

【世紀末亭】2009年5月17日定期アップ

ウンチクを語ったり論を張るには程遠いながら、映画が好きでよく観ます。一時、映画の日やメンズデーを選んで映画館に出かけ、月2~3本新作を観ましたが、最近はもっぱら家庭で往年の名画を楽しむことの方が多くなりました。ソースはビデオに録り溜めたテレビ放送と、漫然とコレクションした洋画LDで、いまだにDVDは手付かずにいます。

興味を抱くとそこそこ深みにはまり込む性分をもっているため、LDプレーヤーを手に入れた途端、古典映画を集めてみたくなり、カタログを眺めては毎月日本橋へ通うのが楽しみになっていった、というのがコレクションを始めたきっかけです。

ジャンル別に整理したくなる程度溜まった1990年、シャープから「液晶プロジェクター・XV-101T」が発売され、6畳間でもホームシアターが開設できる時代が到来し、さんざん迷った挙句購入してしまったのは、今考えても正解だった気がしますね。あのとき、諦めていたら自宅映画館は無かったはずですから。

興味を抱くとそこそこ深みにはまり込む性分をもっているため、液晶プロの画質で飽き足らなくなった1994年、高嶺の花と諦めていた三管式プロジェクター「ソニー・VPH-500XJ」を、仕事関係の事務機屋さんから破格の条件で手回してもらえることが分かり、今度は考えることを考えもせず予約。したのはよかったけれど、さぁ、配達された実物を目の前にして頭ガ~ンッ! 重量40kgは想像以上の重さと大きさでありました。

三管式プロジェクター・ソニー VPH-500XJ

ブレード・ランナー(右横はB2ポスター)

けどそこは、興味を抱くとそこそこ深みにはまり込む性分をもっているため、考えることを考えて、考えられないことは現物合わせの力技で、そしてホームセンターへの往復を繰り返し、何とか鴨居に吊り下げることができたあと、電源を投入して最初にスクリーンに映し出された映像を見たときには……「映画館が家(うち)にやって来た」とは言い過ぎではありません、いまだに「あのとき無理しといてよかった」としみじみ思います。

では「6畳間、80インチスクリーン」とはどんな風景かと言いますと「シネコンの100席部屋、真ん中から少し後ろの席で観ている感じ」と、口で言っても伝わらないと思いますので、いっそのこと明日にでもアマゾンあたりでご注文されてはいかがでしょう? 機材も極端に安くなっている現在、今ざっと探してみたら11万円でお釣が出るようです……、あなたの部屋に映画館がやって来る。

◆ホームシアター:最安値合計(2009/05/15現在) \107,704~
 ・プロジェクター:DLP方式プロジェクター \42,114~
 ・スクリーン:巻き上げ式86インチ ワイドスクリーン \10,800~
 ・AVサラウンド対応アンプ:\29,770~
 ・スピーカー:5.1chホームシアターシステム \25,020~

●桂春雨「荒大名の茶の湯」:江戸落語「荒茶」
頃は慶長四年、関が原の合戦を目前に控え、徳川方は「豊臣七人衆」を味方に付けようと画策していた。徳川の軍師・本多正信は加藤清正ら荒大名七人の寝返りを説得しようと、屋敷内に茶室をしつらえ茶会に招くのであるが、なにしろ戦に明け暮れていた大名のこと、千利休の直弟子・細川忠興を除いて、茶の湯などまったく縁がない。そこで、細川を正客にし先頭に立たせ、ほかの六人は彼の所作をそっくり真似てその場を乗り切ろうとするのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug461.htm

●桂米朝「二階借り」:別演題「茶漬間男」
亭主が茶漬けを食っているにもかかわらず、賄いもそこそこに「隣りのお咲さんと約束してたんや」と、女房のお芳さんは風呂に出かけた。とは真っ赤な偽り、実は亭主の友達・辰っつぁんと束の間の逢瀬、間男、よろめき、不倫を楽しもうと飛び出したのである。なのに、辰っつぁんといえば財布を忘れて盆屋(ぼんや=連れ込み宿)へ行くこともできない。そこで、お芳さんの家の二階部屋を使ってことに及ぼうと、何食わぬ顔で「こんばんわ……」
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug223.htm

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2009/05/03

露の五郎(五郎兵衛)「雪の戸田川」

【世紀末亭】2009年5月3日定期アップ

2009年1月3日、真新しいLDプレーヤーを手に入れた直後「生産終了が発表された」とのニュースが流れたことをこのブログに書き込んでいます。そのとき「これはもう、神が存在しているとしか言いようがないほどの運の良さだ」と考えたのは、実はちょっと思い違いだったことが先週判明しました。

といいますのも、その新しいLDプレーヤーが初期不良品だったとみえ、24日金曜日「原因不明のエラーですよ」と表示するともに「ギャ~ッ」という悲鳴をあげて、突然苦しみだされたのです。エラー表示だけならまだしも、ギャ~ッという悲鳴を聞くとうろたえてしましますね。

オロオロ・オロオロ、とりあえずお客さまサポートセンターに連絡してみると「故障のようです」分かってるっちゅうねん「お住まいの故障修理担当センターは○○になりますので、お手数ですがご連絡ください」ありがたい、でも持って行くにしても、送付するにしても大変そうだ……

かなり落ち込んだ状態で電話を入れると「こちらの日時指定でよろしければ、ご自宅まで修理にうかがいます。お急ぎでしたらお持ち込みください」ですと。出張してもらっても1、2日遅れる程度ということなので来ていただくことにし、28日火曜日無事修理完了。隅々まで入念に検査、調整していただいて「たぶん新品よりも調子が良くなったはずです」というお言葉まで頂戴しました。ん……?

修理の合間、動作の仕組みや調整の仕方、部品保存期間経過後の修理依頼など、いろいろお話をうかがっているなか、今回の「LDプレーヤー生産中止」の話題がのぼり「発表するやいなや、在庫はもとより残り製造予定数全量を2日間で完売してしまった」とお聞きしました。

また、完売以後も問い合わせが多数あり「ある程度まとまった数量の発注があるようなら、将来的に追加生産を行う方向で検討中」であることもお聞きしましたので、このドサクサに入手しそこなった方、予約受付サイトや販売店に申し込んでおくと、良い知らせが届くかもしれません。けど、届かないかもしれません。それはあなたの運次第。

●露の五郎(五郎兵衛)「雪の戸田川」:江戸落語「戸田の河原」
病の女房お紺を江戸に残し、伊勢松阪まで金策に走った治郎吉は、心労と旅の疲れが祟ってひと月余り寝付いてしまい、ようよう江戸に戻るとお紺の姿は見当たらず、長屋の表には貸家札が残るだけであった。方々訪ね歩くがお紺は行方知れず、生まれ故郷の佐野犬伏(いぬぶせ)へ帰って、薬代に当てるはずだった金を元手に干鰯(ほしか)商売を始めると、これが当たりに当たって、今では佐野屋の大尽と呼ばれるまでになっていた。ある冬の夕暮れ、江戸へ掛け金の集金に出た帰り道、戸田の河原に住み着いた女乞食が物乞いに寄って来る。幾ばくかの銭を手渡してやると「こんな金は要らんわい、よぉも見忘れはしょまいがなぁ~、治郎吉ッ!」
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug460.htm

●桂南天「穴門の西瓜売り」
大阪、南御堂(本願寺大谷派難波別院)の北西角に石垣を穿った出入り口がある。「穴門」と呼ばれ、夏はひんやりと風通しも良かったため、涼を求める人々や西瓜売りが集まって名物になっていた。そこで繰り広げられる客と西瓜売りと八卦見のひと騒動。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug221.htm

●(初)桂枝太郎「雷の褌」
雷仲間の取締役、五郎八さんの息子も、そろそろ雷太鼓の修行に取りかかる年齢になり、小さな太鼓を誂えてもらって稽古を始めた。半季もしないちに親よりずっと上手に打つようになったある夏の日、雷役所から「本日午後三時、夕立お願いします」の一報が入り、前座として息子を走らせることに。音は小ぶりながらも身軽な子ども、あっちへツツ~ッ、こっちへツツ~ッ走る走る。ところが、なんといっても初めてのこと、雲に厚い薄いがあるのに気付かず、切れ目からスト~ン……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug222.htm

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2009/04/19

露の五郎(五郎兵衛)「金瓶梅」

【世紀末亭】2009年4月19日定期アップ

2009年3月30日、露の五郎兵衛(本名・明田川一郎=あけたがわ・いちろう)師匠が多臓器不全のため77年の生涯を閉じられた。1932年3月5日、京都に生まれ、9~13歳まで中国で過ごしたのち日本に引き揚げ、1947年に二代目桂春団治に入門(桂春坊)。1960年、小春団治を経て1968年に二代目露の五郎を襲名。1994~2003年のあいだ上方落語協会会長を務め、2005年には「露の五郎兵衛」二代目を襲名されていた。

わたしが五郎兵衛師匠の生の高座に接したのは、2004年11月18日(木曜)、東成区民ホール(市役所3階)で開催された「東成区市民寄席」露の五郎「ねずみ」が最初で、2004年12月19日(日曜)、阿倍野青年センターでの「田辺寄席 三十周年記念落語会 ~ 五郎師匠の「中村仲蔵」を聞く会 ~」が最後と、2席しか拝見できなかったのが残念でならない。

「世紀末亭」では桂米朝師匠、桂枝雀師匠に次いで、36演目と多く紹介させていただいている(下記一覧参照)。今回は長編艶笑噺「金瓶梅」を取り上げ、師匠の追善に供したい。

00/02/13 ● 深 山 が く れ 99/06/27 特選落語全集(MBS)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug196.htm
00/05/07 ● 加 賀 見 山 99/05/08 日本の話芸(NHK)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug206.htm
00/06/18 ● 大 丸 屋 騒 動 97/08/** 人情噺集成(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug212.htm
01/08/05 ● 紀 州 飛 脚 **/**/** 日本クラウン
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug272.htm
01/08/19 ● 目     薬 97/08/03/上野鈴本(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug273.htm
01/09/09 ● ト ン ボ さ し 97/12/18/更科権太郎(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug274.htm
01/11/04 ● 粉 つ ぎ 屋 97/10/22/宗右衛門町エスカイヤクラブ(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug278.htm
01/12/23 ● 鼠  の  耳 83/12/10/第69回もとまち寄席恋雅亭(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug281.htm
04/05/23 ● 浮  世  床 03/05/24 平成紅梅亭(YTV)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug340.htm
04/08/22 ● 真  田  山 70/06/13 ミッドナイト寄席(ABC)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug347.htm
04/10/17 ● 三人旅浮之尼買 73/01/14 落語百選(OBC)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug351.htm
07/04/08 ● 唐 人 お 吉 90/12/10/元町・恋雅亭(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug414.htm
07/04/22 ● 神崎与五郎外伝 97/07/15/京橋・ビギン寄席(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug415.htm
07/05/06 ● 女 護 ヶ 島 97/10/22/宗右衛門町エスカイヤクラブ(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug416.htm
07/08/05 ● 提  灯  屋 76/05/21/大阪厚年中 上方落語の会(NHK)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug419.htm
07/08/19 ● 宗 悦 殺 し 81/07/23/大阪厚年中 上方落語の会(NHK)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug420.htm
07/09/02 ● 近 江 屋 丁 稚 91/08/18/広島県安佐町農協 上方演芸会(NHK)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug421.htm
08/01/20 ● 人 形 の 目 86/08/09 (COLUMBIA)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug428.htm
08/02/17 ● 艶 噺 初 天 神 97/12/25/心斎橋・暫(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug430.htm
08/03/16 ● 五郎艶笑噺集一
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug432.htm
     ・ お獅子つぶれた 97/10/20/京都・川久(CROWN)
     ・ 蟹 と 行 者 97/12/25/心斎橋・暫(CROWN)
     ・ 指は知っていた 97/10/20/京都・川久(CROWN)
     ・ もう一合・鞍馬の天狗 97/12/25/心斎橋・暫(CROWN)
08/04/20 ● 道     鏡 **/**/** 日本クラウン
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug435.htm
08/05/04 ● 鯉 津 英 之 助 73/04/22 落語百選(OBC)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug436.htm
08/05/18 ● 五郎艶笑噺集二
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug437.htm
     ・ 上下 の しるし 97/12/18/大阪・更科権太呂(CROWN)
     ・ 大 師 の 馬 97/08/05/鈴本演芸場(CROWN)
08/06/22 ● 五郎艶笑噺集三
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug439.htm
     ・ 名     月 97/10/22/宗右衛門町エスカイヤクラブ(CROWN)
     ・ 揚  子  江 97/10/22/宗右衛門町エスカイヤクラブ(CROWN)
08/07/06 ● 常太夫 義太夫 94/12/10 お笑い大賞(YTV)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug440.htm
08/07/20 ● 五郎艶笑噺集四
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug441.htm
     ・ 医 者 間 男 97/10/20/京都・川久(CROWN)
     ・ 下     口 97/12/21/京都・花斗(CROWN)
08/08/17 ● 五郎艶笑噺集五
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug443.htm
     ・ お好み吸いもの 97/10/19/京都・川久(CROWN)
     ・ 赤 貝 猫 ほ か **/**/** (CROWN)
08/09/21 ● 大 名 道 具 **/**/**/スタジオ録音(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug445.htm
08/10/19 ● 建 礼 門 院 97/10/20/京都・川久(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug447.htm
09/04/19 ● 金  瓶  梅 97/12/25/心斎橋・暫(CROWN)
  http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug459.htm

次回予定
09/05/03 ● 雪 の 戸 田 川 88/07/16/大淀ホテルプラザ 土曜名人会(ABC)

●露の五郎(五郎兵衛)「金瓶梅」
中国三大奇書とも四大奇書とも言われる中に、人間の愛欲・欲望に視点を据え、当時の社会の退廃した状況を如実に描き出す「金瓶梅」がある。本編はその「金瓶梅」より武大(ぶだい)の女房・潘金蓮(はんきんれん)と、金蓮に目を付け、手の内にしようとたくらむ西門慶(せいもんけい)の駆け引きを描き出した艶笑噺。仲立ちをする金蓮の隣りの茶店の婆さんの振る舞いが見事である。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug459.htm

●桂雀々「夢八」:江戸落語「伊勢詣り」
呼び出されて甚兵衛さんの家を訪ねた八っつぁん、何の用かと思ったらアルバイトを世話してくれるらしい。聞けば、ツリのお供をして一晩過ごすだけでいいのだそうだ。アホでもできる楽な仕事だというので即引き受け、その足で現場へ連れて行かれると、弁当と割り木を渡され一軒の小屋へ放り込まれる。眠気覚ましに割り木で床を打ち鳴らし、弁当を食いながら夜が更けゆくにつれ、目の前に吊ってあるムシロの存在が気になり、フッと覗くと変死体がブラリ。ツリのお供というのは釣りではなく首吊りの見張り番だったのだ……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug220.htm

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2009/04/05

笑福亭鶴光「掛川の宿」

【世紀末亭】2009年4月5日定期アップ

「広告」とは、人々に関心を持たせ購入させるために、有料の媒体を用いて商品の宣伝をすること。また、そのための文書類や記事。と定義付けられています。これに当てはめれば、こちらは「人々に関心を持たせ本体の『世紀末亭』を読ませるために、ブログを用いて『落語』の宣伝をすること」と言えるでしょう。

成果、効果が上がっているかどうかは置いといて、グダグダ文字を並べているのは最終的に落語を読んでもらうのが目的なので、対象の落語がわたしにとって本当に面白いのか、面白くないのかという価値判断は挟み込まず、面白くない噺も面白いと思わせるように書くことを心がけています。なんていうとお叱りを受けるかもしれませんが「好き嫌いも趣味の内」ですからお許しください。

本当の広告業界では商品の紹介文にいろいろと規制があり、たとえば「誇大表現・不明瞭な比較・法に抵触する表現・公共の福祉に反する表現・誤認に導く表現」などは使用できないことになっています。しかし、ここはわたしの遊びの庭ですから、それら現実社会では禁止されている「誇大で不明瞭で誤認へと導く」コピーを書き上げることに日々頭を悩ませるのです。

コピーに興味を持って本文を読み進んで「まさにコピーどおり、面白い噺だった」と納得してもらえれば、こちらの思いが通じたのですから、嬉しいことこの上なしですし、反対に「面白くない、騙された」と感じたなら、騙したこちらのコピー勝ち、これもまた大いに喜ばしいことと思っています。

ということで、今回アップ「掛川の宿」「鏡屋女房」のキャッチコピーをどうぞ。

●笑福亭鶴光「掛川の宿」
明日、尾張公の参勤交代ご一行が到着する掛川の本陣宿「遠州屋」では、バタバタとその準備に追われていた。そんななか、相次いで二人の老人が訪れ投宿したいと申し入れる。番頭は「一般客の部屋はない、ほかを探せ」と断るのだが「泊めてもらえなければ宿の玄関で首を吊って死んでしまう」と脅され、渋々物置部屋に放り込んでおくことにした。その日の夜更け、用を足しに起き出した二人のうちの片方が、殿さまを迎える準備であろう離れの座敷で無地の金屏風を目にすると、部屋に置かれていた筆に墨をたっぷりと付け、千羽の雀を描いてしまった。しばらくして、もう片方も同じく起き出し、今度は床柱に大黒様の透かし彫りを。実はこの二人、あの有名な……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug458.htm

●桂米朝「鏡屋女房」
お伊勢参りの帰り道、大阪へ立ち寄り芝居を見物するのが庶民の娯楽であった頃、表に「おんかかみところ」と看板を掲げた道頓堀の鏡屋の前に、田舎の旅行者が立ち止まり考え込んだ。「『御嬶(かか)見処』とは嬶を見せてくれるのか?」中を覗くと確かに美しい女房が店の間に座っている。村に帰ってこの話をすると、次回のお伊勢参りには「御嬶見処」がきっちり観光コースに組み込まれ、皆楽しみに見に行く。が、美しい女房はおらず、なぜか皺くちゃのお婆さんが座っている。どうして? と表の看板を見ると……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug219.htm

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2009/03/22

(初代)桂小文治「でば吉」

【世紀末亭】2009年3月22日定期アップ

寒さが緩み春霞がかかる頃になると、気持ちもボワァ~ッと緩んできます。なおかつ頭もボワァ~ッと緩んで、何か書きたいけどネタが思い浮かばない。いやいや季節のせいにしてはいけません、わたしの場合、頭ボワァ~ッはなにも春だけのことではなくて、しょっちゅうボワァ~ッとしてますから、外部記憶装置的メモ紙を手放せないのです。

今、手元にあるメモ紙の最も古い日付は2007年10月、約1年半分保存されています。内容を拾らい出してみると、いつ頃どんなことを思い浮かべていたのか、我が頭の揺れ具合が分かって面白いかな? とか考えて、曝してみることにしましょう。けど、そのまま書くと不適当なものはもちろん除外しました。

4・10近鉄300/14400/2007.10.25」調整ボルト奥へ回すとギア奥へ動く」白菜柔らかく」俗曲大津絵奈良のはたごや三輪の茶屋」踏まれたり蹴られたり」背に腹、手に足」手を洗う」毒入りギョーザ、日本のスパイ」2/4レコード虫干し完了」ガスライター、キッチンタイマー」ネットの履歴」三輪車、蒸気機関車、新幹線」舞台のこっち側」~はGOサイン」手垢付き磨いて夜なべて暁」ナスのスパイシーパスタ」エキセントリック」某国民放送局HDTVデモ大画面歌合戦のハデハデ衣装」ボケ猫」UHA味覚糖?」劇団ニュースペーパー」先生用教科書赤字で要点」シュール揚げずに唐揚げ」道頓堀ウィング環境悪化」かわいい、きれい、おいしい」イオンギフトカードプレミアム」米朝、弟子の会、総検分」図星」358枚」地デジ普及率?」グレゴリー・ペック」カットレイト・ドラッグ」サンタ・ローサ」5月べにこご復活」

書き出しながら「あぁ、これはあのときの、これはこのときの……」関連付けはほぼ忘れていませんでした。だからこそメモの意味があるのでしょう。しかし、クリップの容量には限りがあるので、古いものから処分していかなくてはならんのです。脳味噌を削り取られるような気分がします。

●(初代)桂小文治「でば吉」
申し込んでいた頼母子講の借り入れができるようになった、との知らせを聞き世話役の吾助さんを訪ねると「何に使うのか教えて欲しい」と言う。そこで正直に「女郎の小照を引かせて、嫁さんにする」のだと伝えると「騙されているに違いないから、本心を確かめろ」とアドバイスされた。その方法とは「友達と喧嘩した弾みで殺してしまった、心中してくれ死んでくれ」と頼み、毒薬に見せかけた灰を飲んでくれれば「心底見えた、女房殿」嬶にしても良いというのだ。さっそく、ミナミの御茶屋へ出かけ小照を呼んでもらうのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug457.htm

●桂米朝「古手買い」
「義理の弟に古着を買ってやりたいので付き合ってくれ」と、友人に頼まれ、坐摩の前の古手屋へ同道することになった。手ごろなものが見つかり、五円十五銭を五円ちょうどにしてもらえることになったのだが「わしにも値切らしてくれ」と言うので、改めて値段の交渉に入ると「十銭に負けろ」あまりの非常識に番頭は「子ども、塩まいとけッ!」怒ってしまう。さぁ、最初に口を利いた俺の立場はどうなるねん?
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug218.htm

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2009/03/08

笑福亭松鶴(六代目)「金釣り」

【世紀末亭】2009年3月8日定期アップ

先週、日テレのイブニング・ニュース番組を聴いてましたら、そうテレビは無いので未だにビデオの音声だけ聴いてるのです、面目次第もない。ですから、聴いてましたら、一流企業のシャッチョさんを取り上げて、いかにスンバらしい会社経営をなさってるかをご紹介するコーナーに出くわしました。

週末になると聴く覚えがあるので、たぶん企画物のコーナーだと思うんです。あちらから持ち掛けてくるのか、局がアプローチするのか、どちらにしても報道と言うには違和感溢れかえるコーナーです。下衆が勘ぐるところ、スポンサー・ヨイショ、あるいは有償パブリック・リレイションであろうと思われます。

その日は日本国を代表する世界的化学調味料または旨味調味料メーカーのシャッチョさんが登場され「ん~ん、我が社の新製品、この冷凍食品は旨ぁ~いッ! これは売れるぞ、大ヒット間違いなし」ちゅなことを、発表会の会場か何かでおっしゃってるんでした。

映像が見えないので何を食ってらっしゃったのか分からないのは残念ですが、日ごろ冷凍食品のお世話になってるわたしも「そのメーカーの品物は他に比して、値段も高いが味もいい」と認めておりますので、旨さの否定はいたしませんし、たぶんわたしも「この冷凍食品は旨ぁ~いッ! これは売れるぞ、大ヒット間違いなし」と言うかも知れません、いや、わたしなら言ってもいいでしょ。

けどですね、日本国を代表する世界的化学調味料または旨味調味料メーカーの代表、シャッチョさんといえば、年収何億、世界各地の三ツ星レストランで食事しまくり、頂点を極めた食生活を思い描いてしまうのに、そんなセレブなお方が「袋破ってチンするだけ」の冷凍食品に「旨ぁ~いッ!」と大声上げるのは……、お前の味覚大丈夫か? とか一瞬思って、それが頭に残って、今こうして書いてます。

●笑福亭松鶴(六代目)「金釣り」:「商売根問」の一部分
久しぶりに訪ねて来た友人に近況を聞くと、米屋の払いもできないぐらい詰まってしまっているという。何か銭儲けになることをしているのか尋ねたところ、担ぎのうどん屋をやって失敗した話、雀をごそっと一網打尽にしようとして失敗した話を聞かせてくれたが、今は何もせずブラブラしているらしい。そこで、まだ誰もやったことがないという金儲け、金で金を釣る「金釣り」をやったらどうかと説明を始めた……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug456.htm

●桂米朝「ためし酒」
近江屋の主人がお供の権助を連れて尾張屋を訪ねると、かねて探し求めていた一升入りの金盃が手に入ったという。使ってみたいとは思いながら、自分では一升呑み干す自信がない、どうせなら全て呑み干すことができる人に最初の口を切って欲しいと考えていた。近江屋の主人に「ひとつやってみないか?」と水を向けると「わたしはできないが、奉公人の権助なら一升はもちろんのこと五升ぐらい何でもない」と言うではないか。そこで、有馬温泉への遊山代を賭けて、この権助に五升完呑を試させることになるのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug217.htm

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2009/02/22

笑福亭三喬「鳥屋坊主」

【世紀末亭】2009年2月22日定期アップ

V.day、ある種ヴァイオレンスなデイが無事過ぎ去り、精神的ではなく体感的な春の訪れを感じることができる季節がやって来ました。温度調節の効いた部屋の窓から眺める陽の光は眩しく目に反射し、暖かそうに見えます。けど、油断して薄着で外出するとまだまだ寒いチメタイ、あと少しの辛抱です。

季節は明るさを取り戻しはじめているのに、世の中景気はもひとつパッとしない話ばかり聞こえてきますね。詰まらん詰まらんと言ってても詰まらんだけですから、もうここは「詰まらん」と言ったら千円の罰金(笑)、落とし噺ではなく、ホントちょっとはマスコミさんも控えていいような気がするのですけど。ま、詰まらんのが事実だからしょうがないのか。

詰まらんと言えば、総務省が2009年1月下旬に実施した「地上デジタル放送の受信機の普及に関する緊急調査」結果が報告されています。昨年、2008年3月時点で44%、9月47%、そして今回、な、なんと詰まらんどころか完全に詰まってしまって49%、残り時間2.5年切って半分超えてない。

メーカーさんは「テレビが売れないので販売計画を下方修正し工場を閉鎖する」とか「完全にテレビ製造から撤退する」とかのニュースもあり、お先真っ黒けの状態でどうするどうする? 傍観者の心配よりも、当事者の心配はもっともっと大きいらしく「政府自民党、地デジテレビ購入者にもれなく2万円進呈、検討」こんなニュースもありました。

どやさどやさ? 地デジテレビ買ったら2万円もらえるようになるかもしれない。それじゃ、その法案通るまで地デジテレビ買うのや~めた(爆)

●笑福亭三喬「鳥屋坊主」:江戸落語「万金丹」
大阪は鳥屋町のカシワ屋の若い衆、喜六と清八は店の金を使い込み「主人に知れて放り出される前に、こっちから放り出てやれ」と、勝手に掛け金を集めて東へ東へ逃避行に出る。金のある内は大名旅行をしていたが、ついに使い果たし一軒の山寺に宿を求めた。一夜の約束が二夜、三夜、五日、十日、半月も経った頃には居ついてしまい、とうとうボンさんになる覚悟を決め出家得度の六法、八法として修行の毎日が始まった。そんなある日、和尚が京の本山へ出かけることになるのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug455.htm

●桂米朝「吃るはなし三題」
ドモリの男が道具店を出してるところへ、ドモリの男が買いに来たという噺「吃の道具屋」、ドモリの丁稚が厄払いをする「吃の豆まき」、ドモリの男がスッポンを売り歩く「吃の鼈売り」のドモル小咄三題を収録。
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug216.htm

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2009/02/08

口演者なし「中元丁稚」

【世紀末亭】2009年2月8日定期アップ

スティック状のビスケットにチョコレートをコーティングし銀紙で包んだ菓子、ネットで調べたら正式名称は「フィンガーチョコ」と言うそうです。発売開始はわたしが子どものころですからもうずいぶんと昔、ごくたまに買ってもらえるチョコ菓子のうち、板チョコの次に好きなひと品でした。

無性に食べたくなって探したものの、近くのスーパーでは発見できず、代わりに動物ビスケット・チョココーティング仕様を買い求めたのが先週、今週も続けて胚芽入りビスケット・チョココーティング仕様を買ってしまいました。チョコレートが恋しい季節です。

今でこそ2月14日が何の日か日本限定で知れ渡ってますけど、初めてチョコプレゼントをいただいた中学生の頃はバレンタインデーなんて世間で認知されてません。少なくともわたしは、なぜチョコをもらったのか分からなかった。あッ、贈ってくれたのは当時20代の叔母です、誤解なきよう。

バレンタインデーがどんな意味か知らなくても、単純にチョコレートの贈り物は嬉しくて、叔母に感謝し美味しくいただきました。その後、2月14日とチョコの関係を知ってからというもの、強要して奪取する以外、ただの1個もありつけたことがないのはここだけの内緒です。

チョコに限らず、心の伝わる贈り物というのは嬉しいものです。記憶に残るものと言えば、小学校入学祝いの鉛筆削り器、中学入学祝いの万年筆、高校入学祝いの腕時計。今の子どもたちなら「しょ~もな」のひと言でしょうけど「成長しろよ」の思いが伝わり、ありがたいことでした。

高校の合格発表の日、受かったことを知らせるために中学の担任を職員室へ訪ねると、三々五々、クラスメートが集まってきます。お互い「良かったね、おめでとう」の言葉をかけあい、同じ高校を受けたS子さんにも「良かったね、おめでとう」その返事に「良かったね、同じクラスになれたらいいのにね」

一度も同じクラスにはなれませんでしたが、人生最高の贈り物だったと……、ママレモンの香り。

●口演者なし「中元丁稚」:明治26年刊の書籍より、演目は適当につけました
本家へ中元のスイカを届けるよう申しつけられた長松、挨拶の口上をえぇかげんに聞いて「時分がら、まことにお暑ぅござります」を「時分がら、ホコホコ暖かになってまいりました」、「おうちはどなた様もご機嫌よぉお暮らしでござりますか」を「おうちはどなたもピチピチあそばしますか」と、ことごとく注意と訂正を受ける。それでも訂正された言葉はしっかりと覚える記憶力はあるのだ。ただ、その抜群の記憶力のせいで……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug454.htm

●桂米朝「ぬの字鼠」
お寺の小僧、智円さんは何を隠そう、お住持の実の子であった。僧侶が肉食妻帯厳禁の時代、檀家に知れては騒動なのに、無邪気な智円さんは「智円、智円といぅてお寺でこき使われてるが、実はわたしは、あの和尚の子どもでございますねん」と、花屋さんに洩らしてしまう。花屋さんから知らされたお住持は、懲らしめに智円さんを墓場の木に括りつけ、とっぷり日暮れて夜嵐がザワザワと大銀杏の葉を揺らすころ……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug215.htm

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2009/01/25

(初代)桂春団治「裏向丁稚」

【世紀末亭】2009年1月25日定期アップ

2007年6月1日、テレビが壊れたのを機に始めたアナログレコードの虫干しも2008年秋には終わり、10月12日から次の虫干しアイテム、レーザー・ディスクに取りかかりました。

まずは音楽つながりで演奏会ライブ映像から始め、音楽アーティスト物語映画、ミュージカル映画と、1日1タイトルをノルマに順調な虫干しを続けていた12月第1週、突然、針飛びならぬデータのリードミスで画像後戻りスキップを繰り返すようになり、どのディスクも45分過ぎたあたりから先に進んでくれません。

以前にも同様のトラブルがあって、レーザー照射装置と受光レンズ部分を清掃して回復した経験から、今回も同じ不具合だろう……、予感は的中、掃除の結果正常に戻り、また懐かしのミュージカル名画を楽しめたのも束の間、大暮れ31日にはとうとうディスクの存在すら認識してくれず完全アウト。

プレーヤーを買ったのは1984年のことですから、24年間働いてくれりゃ大往生と言うべきでしょう、残念よりも「よく持ち堪えてくれた」と感謝しましたとも。さっそくアマゾンでポチッ、明けて正月3日午前中に真新しい1998年モデル?(それ以後開発はストップ)が届き、セットアップ完了。

またまた虫干しの続きを楽しんでいた14日、今度は衝撃的なニュースが飛び込んできます。「LDプレーヤーの生産終了・パイオニア」パイオニアだけが生産終了するのではなく、最後まで生産していたパイオニアまでもが手を引くっていうことは、世界中からLDプレーヤーの供給がなくなることなのです。

わたしゃこの時、神の存在を信じましたね、レーザー・ディスクの神さんを。「あなた~は、世間で、忘れ去られ~た、エッルディーに、ふったた~び目をむ~け、毎日まいにぃ~ち再生してくれて、お~きに。よって、生産中止になるまえ~に、新ったらしいプレーヤーを、買わせてしんぜ~る」ちゅなことですやろ。

さぁ、もう次のプレーヤーは手に入らない。新品プレーヤーが壊れるのが先か? それとも、わたしの壊れるのが早いか?

●(初代)桂春団治「裏向丁稚」:江戸落語「按摩小僧」
肩を揉ませようと亀吉っとんを呼びつけたご隠居。しかしこの丁稚、主人を主人とも思わない口達者で、ご隠居相手に何じゃかんじゃと掛け合いの漫才になってしまった。やがて按摩も終わり、さて次の用事、女衆(おなごし)のお竹どんのために、舟橋町の安藤先生までお薬をもらいに行くことになるのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug453.htm

●桂梅団治「餅屋問答」:江戸落語「蒟蒻問答」
仕事を世話してもらおうと餅屋の親っさんを訪ねた男、ちょうど村の寺が無住だからと即席坊主を引き受けることになる。お経の代わりに「炭坑節」「江州音頭」「泥鰌掬い」をあげて、ユルユルの毎日を送っていたある日、永平寺の学僧が「問答をしたい」と訪ねて来た。あちらは本物こちらは偽物、勝てるわけがないし、負ければ追い出される、さてどうしたものか……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug214.htm

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2009/01/11

桂南光「大黒亀屋」

【世紀末亭】2009年1月11日定期アップ

よく、新聞記事上「△在住、無職、何々某容疑者(56)」などと紹介されていますけど、さてどんな根拠で掲載しているのか興味が湧いて少し調べてみました。その答えは「記事にするにあたり容疑者の住所・氏名・年齢・職業は基本データとして必要な情報である」と、言われてみれば「あ~、そうですか」。ちなみに職業表記は国勢調査でおなじみ「総務省統計局職業分類」から導かれ、あとは記者のさじ加減のようです。

なぜに職業・肩書きが基本データになりうるのか? との思いを巡らせば、例えば医者なら医者像、魚屋なら魚屋像、政治屋なら政治屋像と「その職業から想起される全体的なイメージが存在する」という仮定のもとに成り立つのだろう、との結論に達します。つまり「氏名」で性別であるとか異邦人であるとかが想起され、「年齢」で肌の張り具合や容姿が想起され、「職業」でその職業特有の何かが想起される、というわけですね。

しかしこれって、具体的事実を上げて客観的なデータであると見せかけ、実は読者の主観でもって「頭の中に犯人像を作り上げてくださいよ」なのだ、ということに気づきました。職業分類にはもちろん落語家も含まれており、落語家から想起される職業特有のイメージ、着物着て雪駄履いて扇子持って、けど、普段着の落語家さんは……、でしょ。同じくお医者さんは、白衣着て心斎橋ウロウロしてませんし、魚屋さんがゴム長履いてゴム前掛け着けてウメ地下ウロウロしていません。

自称肩書き「仮隠居」ただいま現在名乗っているわたしのハンドルネームです。隠居に憧れ、それらしき生活をしているものの、いまだ完全に隠居になれない。実態は隠居だが、精神は隠居未満ということで「仮に隠居と呼んでおこう」という意味合いを含ませています。ただ、隠居であろうが仮隠居であろうが、社会的分類上は「無職」のひと言で処分されてしまうのが情けないっちゃ情けない話です。

そこで「無職」でなく「隠居」という言葉を使い、プラスのイメージを想起させようとの心理作戦は、実は上記新聞記事の「△在住、無職、何々某容疑者(56)」と同じ手法であり、なんらわたしの本性を表してはいないということに注意を払う必要があります。

●桂南光「大黒亀屋」:原作・小佐田定雄氏
船場に店を構える亀屋万兵衛は古道具・骨董品を集めるのが趣味である。いや、趣味の域を逸脱し店の運転資金にも事欠くほど入れあげ、いま親父さんの旧友天満屋を頼り、なんとか五十両の金を手にしたところであった。なのにである、その帰り道にバッタリと出会った丼池(どぶいけ)の古道具屋から「前からお探しの、いい大黒天の彫り物がある」と告げられ、またしてもついうかうか五十両で購入してしまう。店に帰ると、もちろん奥さん、番頭から責められ「この大黒は『いにたい、帰りたい』と夜泣きをして気持ちが悪い」出まかせの理由をつけて返品したのだが……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug452.htm

●桂米朝「土橋万歳」
「色街遊びの度が過ぎる」と部屋に幽閉されていた若旦那、番頭が葬式に参列するために出かけた隙を狙い、丁稚を丸め込んで家を出てしまう。気づいた番頭は料亭に乗り込み、こんこんと意見をするのだが逆に階段から突き落とされてしまった。気分を害した若旦那が店を替えようと新町へ向かうちょうど難波土橋のあたり、暗がりに身を潜めていた番頭は葬礼用の脇差を抜き……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug213.htm

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2008/12/21

東雲斎喜一「碁盤截(ごばんきり)」

【世紀末亭】12月21日定期アップ

2008年春先より懸念されていた米国経済の不安定が、秋にはついにおよろしくなく、10月に入って世界を巻き込む株価大暴落を引き起こしました。結果、個人消費の冷え込み、企業収益の下方修正、設備投資の低下、個人投資意欲の減退、原油価格の下落……、今まさに景気低迷(テイマイじゃなくテイメイね)、不況の真っ只中なのだそうです。

仮隠居生活を送るわたくし個人的には、ここしばらく続いていた消費者物価急騰が少しは抑えられるのではないか、原料価格高騰、原油価格高騰を理由に値上げされた商品価格が元に戻るのではないか、あるいは嬉しいデフレがくるのではないか。と、密かに期待をしております。

と申しますのも、多少のインフレは織り込み済みとはいえ、蓄え食い潰し予算の上に成り立つ我が家の経済は、世間様が「好況、好況」と浮かれるのが何より怖いのです。これでまた、あと数年はこころ穏やかな生活が営めることとホッとひと安心。

怪我の(カイガではなくケガですよ)功名かどうか、未曾有の(ミゾユウではなくミゾウですよ)物価急騰を見越し緊縮予算を組んだお陰で、どうやら今年度は予想外に大幅な予算未消化が発生しそうな状況です。

 普通の生活を送る家庭ならば、剰余金処分ということでパ~ッと派手に使うこともできましょうが、先行き何が起こるか分からない我が家ではそっくりそのまま次年度へ繰越す予定にしております。

こう頻繁に(ハンザツではなくヒンパンですよ)物価が乱高下するようでは財布の紐を緩めるわけにはいきません。来年度も緊縮予算を踏襲し(フシュウではなくトウシュウね)気持ちを引き締めてかからないといけないなぁ。と、麻生さんの迷読を交えたお題噺風仮隠居の生活経済でした。

そんな経済の動きとはまったく関係なく、こちら世紀末亭は不況であろうがなかろうが、これからもほぼ2週間に1演目、新しいネタを追加していくつもりでおります。しかしながら、その新しいネタを探すのがひと苦労になって久しく、これが大きな悩みのタネでした。

ところが先日、ひょんなきっかけで明治時代に発刊された速記本「吹替息子」を現代仮名遣い、言い回しに改編する機会があり、やってみると「これはいける」やないですか。速記本には上方落語あり、上方講釈あり、そして江戸落語もあり、改編の元ネタとして使えそうです。

「お前の改編なんか読みたないわい」のお声ごもっともですが、せっかく手に入れた新しい材料、しばらく使ってみたいと思いますので、生暖かく見守っていただくようお願いしつつ、ここに「第10集はじめに」をしたため、世紀末亭を開演したいと思います。

●東雲斎喜一「碁盤截(ごばんきり)」:江戸落語「柳田格之進」
両替商の嘉右衛門は息子に店を譲り、浪人・柳田格之進と碁を打つのを楽しみに楽隠居生活を送っていた。春先のある日、いつものように夢中で碁を打ち合っているとき、店の者から「五十両の金を奥で預かっていただきたい」と渡された包みを、生返事で「はいはいはい」懐へ入れ手水へ立つ。やがて格之進も帰り、息子が金を受け取りにくると、預かったはずの金は部屋のどこにも見つからない。店の者総出で捜すうち「あの柳田格之進というやつが、まったく油断のならぬ者でございます」番頭が言いだした……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug451.htm

●露の五郎(五郎兵衛)「大丸屋騒動」
伏見の造り酒屋「大丸屋」の跡取り長男の嫁は、宮司の娘であったことから「妖刀村正」を一振り、嫁入り道具として持参する。次男の宗三郎はこの刀を気に入り、借り受けて一人眺めては心を落ち着かせていたある日、兄の名代として出た酒宴で会った芸者と深い仲になり「おとき・宗三郎」の浮名を流すようになる。親戚たちは苦言を呈するのだが、兄はおときを引かせ「互いに三月(みつき)のあいだ会わないで謹慎すれば、一緒にして店を持たせてやろう」と宗三郎に約束する。しかし、三月にあと少しというところで、宗三郎はおときの住む富永町へと足を向けてしまうのだった。しかも腰には村正が……
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug212.htm

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